矯正開始の判断基準
子供の矯正をするか?しないか?の判断基準は、顎の成長が順調か又は、遅延しているかで判断します。
→顎の成長期間は限られており、中学卒業までに90%の成長が終了します。
そのため、早期に介入することにより顎の成長を促す期間が長く確保できます。
では、顎の成長の遅延はどこで判断するでしょうか?
→それは、前歯部の生え変わりで判断します。
前歯が、重なっている場合は、顎の横幅が狭いことになり、顎の成長が、遅延していると判断します。大切なのは、「なぜ?」顎の遅れが生じたのか?が大切です。
例えば、「指しゃぶり」をしていると前歯が前突になる様に、不正咬合には何らかの原因があります。そのことを解消する方法の一つとして、矯正装置を使用するという考え方です。 これは、大人の矯正では、原因を改善しても歯並びは改善しないため、子供の矯正と大人の矯正と大きな違いになります。
また、顎の成長は部分的なものではなく、顔の成長の中で総合的に成長します。特に、口の成長は、呼吸・関節・嚥下・睡眠・多動症とも関連し、お子様の成長に深く関わっています。
飯嶋様の場合は、鼻水が出るとの事ですので、鼻腔の狭い状態も考えられます。
以下の習慣は、ありませんか?この習慣を気を付けることにより、不正咬合が改善する場合があるのは、成長期にある子供の時期だけです。大人になってから改善する事はないので、ここが、子供の矯正と大人の矯正との大きな違いです。すなわち、子供の矯正装置は、 この日常の生活習慣を改善する装置と考えて下さい。
ここで、小児の矯正と大人の矯正の違いをご説明いたします。
小児時期の矯正は、「顎変形症」になる前の矯正です。
保険適用の矯正は、「顎変形症」後の矯正とお考えください。
「顎が変形するよう噛み合わせ」を、そのまま放置するのではなく、「顎の変形を少しでも減らすような噛み合わせに改善する」事が最大の目的です。
現在の「噛み合わせ」は、遺伝→口呼吸→かみ合わせのずれ→顎の発育不全→寝方・頬杖・片方で噛む癖などの習慣が原因で、不正咬合が発現します。しかしながら、今まで続けていた習慣を本人の努力のみで改善することは難しく、それを補助する装置として、矯正装置を使用するという考え方が、小児矯正の考え方です。
特に、成長期の成長方向を変更(不正咬合になる習慣を、正しい咬合になる様に変更)しなければいけないため、本人とご家族と歯科医院との3者協働作業とお考えください。
この中で、「口呼吸」「口の筋肉のバランス」「顎の発育不全」を、 コントロールできる時期は、成長期(小児期)の時期しかありません。