最近、思う事を書きます。
過去30年間に、成人の喘息が3倍に増加しているのをご存じでしょうか?
また、普通の人が喘息に罹患する割合は4%に対し、オリンピック選手は、12%と有意に多い事もご存じでしょうか?
激しい運動が口呼吸を誘発している事が考えられます。
かつて、ジョージ・カトリン画家が、貴族に「花粉症」が多い事に気づいたそうです。
そのジョージ・カトリン画家は、アメリカインディアンを好んで描いた画家ですが、その肖像画を描いているときに気付いたそうです。インディアンは「口を閉じている」。
事実、アメリカインディアンに花粉症は少なかったという事です。
「花粉症」は「貴族病」という事が言われますが、現代の子供達も、「貴族病」に罹患している可能性がありますね。
医聖ヒポクラテスは、「害のない治療からはじめよ」と言われました。
そして、初代医師会会長 北里柴三郎氏は、「医者の使命は、病気を予防する事」と言われました。
歯科医療は、「身体の入り口」という捉え方をすると、病気の予防という観点から見ると非常に面白い職業ですね。
姿勢に関しては、咬み合わせと関連しています。
これは、「姿勢が悪い」から「咬み合せ」が悪いのか?
「咬み合せが悪い」から、「姿勢が悪い」のか?
いづれにせよ、姿勢と咬み合せは、関連しています。
咬み合わせを良い状態にして、お子さんの発育を見ていく方が、バランスのとれた、健康的な発育が行われます。
お子さんの発育に関して、「むし歯」だけではなく、「身体」の健全な発育に関してアドバイスする役割が、医療にはあります。
「医療」=「治療」+「健康 教育 再発予防のアドバイス」だと思ってます。
上の絵の様に、鼻と上顎は、一つの骨です。つまり、上顎の歯並びが重なっているということは、上顎の顎が狭い=鼻腔が狭い事になります。
この鼻腔が狭い状態で、お子さんの成長を見てて良いのでしょうか?顔の正常な発育は、「鼻で呼吸できる状態」が正常です。
鼻で呼吸をする=鼻腔のバルーン効果(ふうせん効果)で、鼻腔の発育が促進される。
更に、鼻呼吸しやすくなる。このサイクルが、お子さんの成長には大切です。
また、口呼吸は、呼吸の中に「一酸化窒素」という物質の取り込みが少なくなり、呼吸が早くなります。つまり、睡眠中の眠りが浅くなり、夜尿症、寝汗、いびき、起座呼吸(寝ている時に起き出す)などの症状があり、疲れが取れません。
また、アデノイドが感染し、耳管を通過して、中耳炎の原因になります。
この様な症状がある場合は、口呼吸の改善が必要は場合が多いのです。
子供の矯正で、もう一つ大切な事は、「のど」の発育です。
皆さん!解剖学的に、「舌」は、「のど仏」(=のちんこ)まであります。
「舌」の動きが、不十分ですと、「咽喉」の動きも不十分になります。
一日、人間は、「つば(唾)」を、約700回飲み込みます。
この「飲み込む動作」を、「嚥下(えんげ)」と言います。
この嚥下が、正常に行われるかとが、「のど(咽喉)」の発育には、とても大切な事なのです。
つまり、「口の中が狭い」=「舌の機能が不完全」=「ノドの発育が機能不全」になり、「機能不全」が、「発育不全」に繋がります。歩かないと、足が発育しないのと同じ理屈です。「子供の矯正」は、「大人の矯正」と明確に区別しなければいけない点は、この健全な発育を考えた矯正である事です。
6歳6か月 女子の相談ケースです。
(症状、患者さんの主訴について)
【重要事項】
学校での授業を受けられるか?ご飯は食べられるか?心配しています。
→矯正開始時は、西村歯科医院の「こども矯正」の場合は、最初に口の中に装置を入れても大丈夫な様に、口の中の敏感さを取る着脱式の装置を入れます。
この事を脱感作(だつかんさ)と言います。
この時点で、どの様な装置が適切か?を判断します。ここで問題なければ、矯正中は、他の子供たちも施術していますので、食事・学習面では可能と思われます。
① 下顎前歯部の歯並びが気になる。
② 上顎正中の歯と歯の間が開いている。(祖母がすきっ歯なので、隙間が空くと可哀想)
③ 上顎左右の側切歯の歯が生える場所が無い