そして、最終的に歯が綺麗に並んだ後は、後戻り防止装置を装着します。
装着後1~4ヶ月ごと来院になります。最後の後戻り防止の期間が一番長いとお考え下さい。
矯正で、一番難しいのは、実は後戻り防止の対策なのです。
これは、年齢とともに歯並びが変化するからです。
*ここで、矯正の後戻りについてお話し致します。
無事矯正が終了した場合でも、少し後戻りがするのは事実です。これは人間の老化現象があるように、人の体の「仕組(しくみ)」として、新陳代謝があるからです。10代には10代の歯並び、20代には20代の歯並びがあるように、年齢と共に、歯並びもそれにあった歯並びになってくるからです。これは避けられません。また、身体全体のバランスのとれたところに歯並びが並ぶように多少変化するからです。
そのため、多少 後戻りすることは避けられません。しかし、一生懸命 矯正した歯が元に戻るのは残念なことです。西村歯科では、できるだけその後戻りが少なくなるようにリテーナー(後戻り防止装置)をして頂きます。これにより多くても一割くらいの範囲内での後戻りになるようにできるのです。また、態癖、歯ぎしり、使い方によりリテーナーは劣化(古く)なりますので、その時は、リテーナーを作り変えることで対応が出来ます。
矯正終了後、後戻り装置使用の仕方について
(後戻り防止装置をリテーナーと呼びます。)
最初の1年間は1日中装着し、その後 家にいる時のみ1年間使用し、その後は夜のみ使用としていきます。装置に違和感がなくなれば、経過観察となります。また、この「後戻り」の最大の原因は、態癖です。態癖は、身体の姿勢も悪くなる為、充分に注意し早めに辞める様に注意しましょう。
*態癖について(たいへき=悪習慣)
態癖があると、矯正が思わぬ方向に歯が移動する事や姿勢が悪くなる原因になります。改善する様に注意しましょう。(西村歯科医院でも指導致しますが、ご両親のご指導もお願い致します。)口呼吸も、歯並びを悪くする原因になります。
「横向き寝」の場合は、歯並びを悪くしない枕を使用しましょう!
「ハモル君」枕
注意点・重要 矯正治療の中断が必要な時
以下の状況がある場合は、矯正を中断し紹介する場合があります。ご留意下さい。
A)とB)とC)の3つの事項があります。
A)11歳~18歳頃から思春期成長が始まり、身長が急に伸びる時期に合わせて、下顎骨が過成長する場合があります。この場合は、大学での外科矯正が必要になります。もし、大学での外科的矯正治療になる場合は、大学へのご紹介を致します。また、反対咬合は、18歳頃まで後戻りをし易い状態にあります。これは、口唇・舌を含めた口腔周囲の筋肉が中々改善しないためです。そのため、後戻りの経過観察が必要になります。)
*反対咬合の場合、遺伝的要因が2割、かかわっていると思われます。従って、大人になるまで放置する場合は、9割以上が手術になると思われます。これは、顔の形(骨格)がその様な反対咬合の顔貌になる為です。しかし、小さい頃より矯正する事により、その反対咬合になる発育の方向性を、変更できると考えています。また、仮に反対咬合になった場合でも、その反対咬合の量は少なくなります。特に、反対咬合の場合は、手術矯正になる場合がある事は、重要なポイントですので押さえておいて下さい。
B)歯の体質的又は、過去にバスケットボール等で前歯を打撲した場合などに、矯正により歯の根が短くなる傾向が発現する場合があります。この場合は、本人のためにも矯正治療を中止した方が良いと思います。その場合は、そこまでの歯並び矯正が無駄にならない様に後戻り防止の装置を装着する事になります。
C)歯科医院の指定日に、ご来院頂けなく、キャンセルを何回も繰り返す場合。又は、勝手に、治療装置を、装着したりしなかったりを繰り返す場合は、智歯の完成度により歯が動かなくなり、西村歯科での治療は不可能になり、大学への抜歯矯正に止(や)むを得(え)ず紹介する事になります。つまり、保護者の方と西村歯科医院との協働治療である事をご確認して置いて下さい。お子さんの反抗期等でご負担が大きい時は、ご遠慮せずにご相談下さい。