① 顎の関節が痛くなる場合は中止をお勧め致します。
②矯正で、下の顎を後方に移動する場合は、歯を数か所(削合する)必要があります。
③上下のマウスピースは、一日中入れてないと改善しません。
④本来は、右下「親知らず歯」を含めた数本の抜歯を行い、上下にブラケット治療が、基本治療です。本来の治療を回避し、マウスピース治療で行う場合は、改善しないケースのリスクが高くなります。また、顎の関節、歯根に影響が出る可能性があります。
⑤再治療の場合は、歯の根に負担がかかり、歯の根が短くなる場合は、歯周病になり易くなります。そのような傾向が発現する場合は、途中で、矯正治療を中断しましょう。
⑥歯列は、ある程度改善する場合がありますが、顔貌は、手術による改善になります。大学へ紹介を致します。
18歳以上の場合は、顎変形症という病名で、矯正専門医・大学での矯正治療が保険で可能になる場合があります。その場合は、ご紹介を致します。
西村歯科医院では、本来のブラケット治療をしないことによる不完全な治療での終了リスク、再治療による歯の根の負担(短根になるリスク)、顎の関節の痛みの再発等によるQOL(生活の質)の低下を考えると、現状維持をお勧め致します。
(一番聞きたいこと)
①どの位の期間がかかるのか?
→身長が、落ち着く中学3年生頃まで、経過観察又は、治療が必要です。
顔が、反対咬合に成長する場合は、大学紹介します。その場合は、更に3年位の追加期間が、必要になります。
②運動が好きなので、何か?矯正治療中に運動制限はあるのでしょうか?
→矯正治療中は、特に、運動制限はありません。
■重要事項
親戚に反対咬合の患者さんの有無 | あり 祖父・父親・母方の母の弟・兄2人が、反対咬合です。 遺伝的な要因が多いため、将来、外科的手術が必要になる可能性があります。 |
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態癖 ※「右下寝」は、顎の発育に影響します。 気が付いた時には、保護者の方が、 「仰向け」に直しましょう。 |
あり 横向き寝(右下寝) 低反発枕は使用してない。 睡眠時間は、8時間 |
鼻閉 ※中耳炎に、なりやすい。 |
時々有り。(風邪引いた時) |
金属アレルギー | なし |
通院可能な時間帯 | 16時30分~ 仕事が休みの時間帯 |
むし歯治療の経験 | 有り |
■顎変形症とは、
上あご(上顎骨)または下あご(下顎骨)あるいはその両方の大きさや形、前後的な位置などの異常による骨格的な咬合不全を伴う疾患名です。
顎変形症には、①上顎前突症(骨格性の出っ歯)②下顎前突症(骨格性の受け口)③開咬症(骨格性の開咬)④顔面非対称が含まれます。骨格性由来の不正咬合のため、骨格的な改善がなければ、不正咬合の改善が困難であると考えられます。
顎変形症の矯正治療は、一般的に「外科的矯正治療」と呼ばれ、顎(あご)の手術を前提とした矯正治療になりますので、顎の手術の際には全身麻酔下での手術が必要になり、一定期間の入院が必要になります。顎の手術は、連携病院である東北大学病院へ紹介することになります。