患者名 女の子様 7歳3か月 女性
* 矯正治療説明書の有効期限は、歯根状況により変化する為、6ヶ月間となります。
(症状、患者さんの主訴について)
「指しゃぶり」をしている為、開咬と顎が曲がって来ている。
(右親指の指しゃぶり)です。
「指しゃぶり」を辞めさせる為、「辛子(からし)」等を塗ってみたが、無理だった。
「どうしたら良いか?」本人も気にしている。家族は、歯並びと顎の歪みを心配しています。
(これまで経過)
①2歳児 指しゃぶりも必要なので、3歳まで辞めれば心配ありません。と指摘を受ける。
②3歳児 矯正は、まだ早いので、指しゃぶりを辞めさせるしかない。と説明される。
③「〇〇歯科」で、顎が曲がっていると指摘を受けるが、今は方法が無いので、12~13歳頃になったら矯正をした方が良いと説明を受ける。
④「〇〇保育園」では、言葉で「指しゃぶりを辞める」とは、言わない方針です。
⑤R〇年9月頃、右上 乳中切歯 を2回 打撲し、変色(赤丸)している。
1回目 友達 2回目 兄→ レントゲン上 歯根破折は、有りませんが、定期的にレントゲン撮影は必要です。
⑥R〇年9月10日に来院時、Drより「指しゃぶり辞める」約束をした事により、少し変化有り。鏡を見せると、鏡を裏返したり、時間も少し短くなる兆(きざ)し有り。しかし、兄と喧嘩したりすると、裏で「指しゃぶり」をしています。
(第Ⅰ期治療)
1.顎の形態を整え・永久歯が生える場所の確保…4歳~6歳前後
顎の形態が不良になった原因を取り除く治療です。(原因=指しゃぶり)
「指しゃぶり」を辞めるには、本人の自覚と第3者からの約束により、本人の努力が必要ですが、この時期に大切なのは指を口の中に入れない環境です。このため、3か月~6か月間プレオルソを入れ、その後、3か月~6か月間ビムラー装置を装着し、歯並びの変化を見て行く治療が必要です。
しかし、本人が、矯正装置を嫌がったり、本人が、矯正装置を使用しない場合は、改善しません。是非、保護者の方のご協力をお願い致します。また、継続しない原因は、短期記憶→長期記憶に移行しないためです。毎日、10分以上は、努力して継続すると、習慣化しますので、頑張りましょう。忘れない様に、良く目立つところに、大好きなイラスト等を貼るなどして、頑張りましょう。
エリック・カンデル先生
ノーベル生理医学賞受賞
国籍:アメリカ合衆国
短期記憶→長期記憶(習慣化)です。
取り外し装置は、毎日 やり続ける事が大切で習慣化になる事が、矯正成功のカギになります。
5歳児後半から12歳前後の期間は、永久歯が全て生える為の場所を確保致します。
上下顎の発育不足が考えられますので、上下顎骨の「発育を促す」装置が必要になります。最初に使用する矯正装置は、「プレオルソ」「ビムラー矯正装置」です。他に、使用する装置は、「RME矯正装置」「家でのみ使用するフェイシャルマスク」「ブラケット装置」「上下顎3DL」「床(しょう)矯正装置」です。この装置は、発育期のお子さんの顎の発育を支援と場所を確保するために効果的に働きます。最初の1ヵ月間は、装置の効果確認が必要なため、2~3週間に一度調整が必要ですが、その後は、装置が順調であれば、清掃・調整のため、一ヶ月に一度の来院になります。
また、この時期は、色々な装置が使用できる時期でもあり、この事が、成長期の矯正の最大のメリット(利点)になります。