2013年 ロート製薬の3475人を対象に行った調査では、子供の3人に一人が花粉症を発症し、その8割が10歳前に発症しているという報告があります。
(図①参照)
一方、小学生の重度(学業に支障が出る)不正咬合は、全体の6~8%ですが、軽度(不正咬合1)の診断を受けている小学生は、45%近くいます。
つまり、小学生の2人に1人は、不正咬合なのです。
西村歯科医院では、不正咬合の原因は、図②に指すように乳幼児からの生活習慣の業績と考えています。
つまり、12才以降の不正咬合の矯正(顎の発育不全)の治療は、原因の30%しか改善されていないと考えています。
他の遺伝因子10~30%を除く40%の原因は、そのまま放置され、抜歯をして、歯並びを整える矯正をしている場合が多いのではないでしょうか?
私たちは、図③に指すごとく、上顎骨の発育の90%は10才前後で終了し、その後は、あまり発育しない事を一般の保護者の方に知って頂きたいと思っています。
しかも、その発育には、鼻呼吸が大変重要なのです。
しかし、近年「点鼻薬性肥厚性鼻炎」が増加しているように、今の子供たちは「薬」で解決しようとしているのです。
この点鼻薬には「硝酸ナファゾリン」などの血管収縮が含まれており一時的に効果があるものの、これを繰り返すうちに、薬が効かなくなり逆に、慢性的な鼻炎を発症してしまいます。
『鼻が通ると頭がよくなる』 エル書房
津田耳鼻咽喉科院長 津田純先生著より
私たちは、薬に依存するのではなく、子供たちに鼻呼吸をする意識づけの指導を行い、発育期(4才~8才前後)に用いる適切な矯正装置を用いながら鼻呼吸のエクササイズを行っています。
子供たちは、鼻呼吸をすると、脳へより多くの酸素供給を素早くすることができ、「いびきの消失」「深い眠りにより情緒安定」など非常に良好な経過を辿ります。
是非一度、小学生の時に不正咬合という学校検診の用紙を頂いた方、西村歯科医院へご相談に来てください。
鼻呼吸の指導をしている行政、医療機関はまだまだ少ないと思います。私たちは、より多く子供の健康を支援する取り組み「鼻呼吸の普及」を行っていきたいと考えています。
[デメリット]
但し、発育矯正の欠点として、時間が長く必要であることも保護者の方の心構えとして認識してください。
図④で示すように、上顎骨の発育は16歳前で終了しますが下顎骨の発育は、20歳前後まで継続します。つまり、歯列(歯並び)が改善しても、20歳頃までは不安定な時期が続くのです。
従って、歯並びが綺麗になっても、20歳前後までは、定期健診で通院が必要になってきます。
しかし、お子さんを歯列不正のまま放置された場合の「心の発育」「身体の健康」など、生涯に渡る健康を考えた時に換え難いメリットは充分にあると思います。
是非一度、西村歯科医院の考え方を確認にいらしてください。
(相談症例No.511)
患者名 △△ 〇〇 様(作成日 H〇〇年12月30日)
生年月日 平成〇〇年4月14日 11歳7か月 男性
(* 矯正治療説明書の有効期限は、2ヶ月間となります。)
(症状、患者さんの主訴について)
①上顎前歯の歯並びが気になる。(保護者の方が一番気になるところ)
料金と期間が知りたいと思います。
(生活習慣と要望)
①鼻づまり有り→耳鼻科には通院していません。
②態癖あり→ 左右横向寝をしています。
③以前矯正相談した事あり
その時は、「歯が交換してから・・」と回答がありました。
永久歯が全て生える為の場所を確保致します。
上下顎の発育不足が考えられますので、上下顎骨の「発育を促す」装置が必要になります。最初に使用する矯正装置は、3DL装置とブラケット矯正装置を使用します。この装置は、発育期のお子さんの歯並びを改善するために効果的に働きます。
この期間は、基本的には、調整、装置の清掃のため、一ヶ月に一度の来院になります。
また、この時期は、色々な装置が使用できる時期でもあり、この事が、成長期の矯正の最大のメリット(利点)になります。